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麻紙の製造方法
非木材紙の麻パルプ製造方法は、化学的な処理によって製造され、主に次に挙げる4つがあります。
・クラフト法(KP) ・ソーダ法(AP) ・中性亜硫酸塩法 ・酸性亜硫酸塩法(SP)
忌部麻紙は、機械パルプ法に分類され「る無薬品・非加熱法」によって製造されています。
クラフト法は、現在世界でもっと利用されている紙の製造方法です。苛性ソーダ(NaOH)と硫化ソーダ(Na2S)を加えられた蒸解薬液を用います。この方法の利点は、連続的な生産に適し、量産・自動化が行いやすく、蒸解薬液の回収工程が確立されており、廃液(黒液と呼ばれる)の有機分は燃料として有効利用できることです。
アルカリ添加率(NaOH)は、原材料の乾燥重量の15~18%、Na2Sは、4~6%を基本とします。蒸解温度は、150~170度であり、蒸解時間は1~3時間です。
紙の劣化を防ぎ、白色度の高いものをつくるには、なるべくリグニンを取り除くことが重要です。クラフト法の場合、硫化ソーダ(Na2S)
は、蒸解液として使用するときに水と反応し、苛性ソーダ(NaOH)と水硫化ソーダ(NaSH)を生成します。
水流化ソーダは、苛性ソーダによるセルロース、ヘミセルロースの崩壊を抑え、リグニンと反応してチオリグニンに変えて、リグニン溶出を促します。さらにリグニンをアルカリ可溶性にして、短時間・低温蒸解が可能となります。
しかし、硫化ソーダのみでは、原料への薬液浸透が早く、パルプ歩留まりや強度がよくなるが、パルプが黒く着色してしまうので、一定量の苛性ソーダを必要とします。
ヘンプ繊維からのパルプ収量は、65~75%であり、パルプは褐色なので、紙製造のための漂泊が必要となります。
このプロセスはクラフト法と同じアルカリ性蒸解であり、薬液の主成分は苛性ソーダを使います。薬液には、炭酸ナトリウムを補給します。加圧加熱すると、リグニンはアルカリ可溶のソーダリグニンとなって溶出します。
ソーダ法、クラフト法の両方において、アントラキノン(AQ)を併用しています。アントラキノン(AQ)を原料に対して0.1~0.5%程度、併用することでパルプの収率が1~3%向上し、脱リグニンが促進されます。
この方法は、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)を使って、脱リグニンを行うパルプ化方法です。基本的にこの原理は、リグニンのスルホン化
反応であり、このスルホン化リグニン(リグニンスルホン酸)がさらに酸によって、加水分解されて低分子化し、スルホン酸塩として溶出する反応です。高温(160~190℃)がスルホン化されるのに用いられます。ヘミセルロースなどの炭水化物のロスを最小するためにpHを中性の条件で蒸煮されます。
SP法(サルファイトパルピング)の名前は、脱リグニンの手段として、重亜硫酸塩を用いることからそう呼ばれています。重亜硫酸塩としては、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、アンモニウムなどの塩が使われています。
蒸解液は、ベース液に亜硫酸ガスを吸収されることによって調整されます。蒸解液の組成は、マグネシウムベースを例にすると総酸(溶解しているSO2全量)と化合酸(Mg(HSO3
)2×1/2)、遊離酸(総酸と化合酸の差)で表されます。pHは2~3の間で行われます。
脱リグニンの反応は、重亜硫酸イオンによるリグニンのスルホン化反応です。スルホン化リグニン(リグニンスルホン酸)がさらに酸によって加水分解されて、低分子化し、スルホン塩として溶出する反応です。
ソーダ法やクラフト法の場合に生成したパルプに残留するアルカリリグニンは着色するのに比べて、SP法のパルプ中に残留するリグニンは、着色が非常に少ないので、未ざらしでも白色度の高いパルプを得ることができます。
しかし、蒸解工程は、バッチ式で、量産・自動化には向いておらず、総蒸解時間も6~12時間あり、薬品回収のしやすさは廃液の利用効率面でクラフト法に劣ります。今日ではSP法の最も大きな特徴であった白色度の高いパルプを得やすいということもクラフト法の技術進歩によって優位性がなくなってしまっています。
この方法の特徴は次の通りです。
①蒸解工程がないために加熱の必要がなく、エネルギー消費量が尐ない ②蒸解工程及び洗浄・漂白工程で使う薬品を必要としない ③各工程からの薬品の廃液処理を必要としないため、環境負荷が尐ない。 ④工程が単純であり、ランニングコストがかからない。 ⑤間伐材、農業廃棄物など多種多様な原料をパルプ化できる。

忌部麻紙の原料となった無薬品・非加熱法で製造された麻パルプ
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