ふぁーみんぐ通信 04年9月号
●6年前の宇宙船地球号より
98年11月15日に「大麻は森林を救う」という朝日テレビで放映された素敵な宇宙船地球号
という番組。あれから6年がたって、ヘンプ建材の施工例が少しずつ増えてきている。
この番組の中では、フランスのアルカン社がカノスモーズという商品名で麻チップ
と石灰を混ぜてつくる土壁が呼吸する壁であることを紹介している。
草から建築資材ができる!この番組の衝撃は、かなりの説得力があった。毎年、
何万ヘクタールもの森林伐採を止める手段の一つとして、3ヶ月で3メートルに成長
するヘンプから建材をつくるというコンセプトがすばらしい。
2002年のヘンプカープロジェクトでは、この番組から引用した映像を北海道から
沖縄まで全国各地で流し、ヘンプ建材の可能性についての具体的事例として紹介
され、多くの人の記憶に残っているのだ。
さて、今回の通信では、ヘンプが住宅資材として使われてきた歴史と最近、流通して
いるヘンプ建材についての概要をご紹介!!!
●ヘンプ(麻)と茅葺き屋根
茅葺きには、チガヤ、ススキやアシという草が使うのが一般的であるが、茅葺きの
一番したの層に麻の繊維をはいだ後の茎、オガラ(麻幹)を敷くことがある。オガ
ラは、軽くて、丈夫な屋根材となる。そして何よりも見栄えがよいために地上から
屋根を見上げたときに、すっきりとしたきれいな仕上がりになり、いわゆる化粧材
として使われてきたのである。麻がたくさん栽培されてきた地域では、すべてオガ
ラ葺きとというところもあるぐらいである。
有名なのは、長野県美麻村の旧中村家住宅(国の重要文化財)、栃木県粟野町の
医王寺。茅葺屋根に詳しい方によると現在の日本では1500棟もの茅葺屋根があり、
そのうち約3分の1の500棟がオガラを使っているという。80坪の家で3000束(約3トン)
といわれており、まっすぐでよいオガラが手に入らないので、茅葺き屋根関係者は
とても困っているとのことである。
●ヘンプ(麻)と漆喰壁
お城の城壁や町屋の白壁などの漆喰壁は、昔から石灰、フノリ(海藻の糊)、麻スサ
(麻の繊維くず)を原料とする。それらを練り合わせて、何回も塗ることで日本の気
候風土に耐えられる壁になっている。古民家再生の建築を実践されている方や左官屋
さんには、日本の麻スサが手に入らない!と叫ばれて久しい。
この麻すさは、本来ならば、麻農家が繊維をはいだときに出る繊維くずを集めて、麻
すさとするのであるが、麻農家の激減により、麻スサは、紡績用の亜麻のスライバー
(糸になる前の繊維の束)もしくは、マニラ麻をカットしたようなもので代用されて
いる。
麻スサは、藁スサよりも接着力が高まり、石灰のアルカリ成分に強いので、灰汁が
でなくて、耐久性のある土壁ができるのが特徴である。国宝の姫路城なんかの白壁
も麻スサだったのが、現在ではコストを抑えるために化学糊(接着剤)となっており、
「ボンド城」と酷評されている。(スサ業者の談)
●ヘンプ(麻)と畳
日本の和室には欠かせない畳。畳表をよく見ると、こんもりとイグサが盛り上がっている。
素足で歩くと非常に気持ちのよいものであるが、ただ単にイグサを敷きつめただけではない。
しっくりと足になじむよう、イグサの一本一本に経糸というものを絡ませ、表面が均一にな
るように、はた織り機に似た織機という機械で丁寧に編まれている。
この経糸が昔はすべて日本麻=大麻だったのである。今でもイグサの大産地である熊本県
は、かつて大麻の大産地でもあったところである。今では、大麻が入手困難品となってし
まったために主に綿糸、麻糸(ジュート麻)、マニラ麻糸が使われている。
どなたか超高級畳として無農薬・有機栽培の国産イグサ畳+経糸に国産大麻使用を復活
させていただけないでしょうか?こだわりの畳屋さんを募集!!
●ヘンプオイルフィニッシュ
オイルフィニッシュとは、木肌を生かしたナチュラルな仕上り、しっとりとした風合いで、
ラッカーやウレタン仕上げにない新鮮な木材のテクスチャーを出すために、木材の「木肌」
を十分に生かす塗装法のことである。様々な植物油があるが、ヘンプオイル(麻実油)は、
乾性油に分類され、空気中にほっておくと自然に乾燥するので、オイルフィニッシュに
適した油なのである。
不乾性油:ヨウ素価100以下。(例)オリーブ油、椿油、ヒマシ油。
半乾性油:ヨウ素価100〜130。(例)大豆油、ナタネ油、綿実油、サフラワー油。
乾 性 油:ヨウ素価130以上。(例)クルミ油、アマニ油、荏油、桐油、麻実油。
麻実油
「大麻」の種子から採取され、欧州、米国などに産し、我国でも古くから栽培されています。
乾燥性、耐候性などは亜麻仁油に劣りますが、塗膜の「やけ」は少です。
引用:鯛工房・家具制作資料室より
http://www.tai-workshop.com/index.shtml
現在は、自然素材・古材ギャラリー「住工房なお」(0467-39-3630)が「なおの麻」と
いう商品名でヘンプオイルフィニッシュを2002年から販売している。室内の内装材、家具、
建具の木材に直に重ね塗りできる含浸性タイプの塗料である。
ちなみに価格は、750mlで3500円
●ヘンプ断熱材
断熱材といえば、ガラス繊維でできたグラスウールが主流だが、ドイツ等で開発
された自然素材のヘンプ断熱材。テルモ・ハンフという商品名で98年から販売さ
れている。ドイツでは、2003年から自然系の断熱材を使った住宅には、その断熱
材の価格の3分の1を国が補助するプログラムがあるので、グラスウールとの価格
差は、2倍未満となっている。
ヘンプ断熱材は、肺に達する微繊維がないため、施工後はもとより、運搬、施工
においても人体に悪い影響を与えず、肌に触れても違和感がなく、パンケーキ用
ナイフ等で簡単に切ることができるので、取り扱いが容易。芯繊維に使用してい
るポリエステル(含有率15%)の働きで形状維持性があり、収縮、へたりがなく、また
繊維が縦横に絡まっているので固定もしやく、施工が簡単。
ヘンプ断熱材は、天然の苦み質を含み、また蛋白質を含まないため、虫やネズミ
の害を受けず、しかも、防腐、防かび、防虫性があるのが特徴である。麻繊維が
ほとんど吸水性をもたないので結露が起こっても吸湿しにくく速く乾く。
吸音効果も高く、ベンツの高級クラス車の防音・断熱材としても採用されている。
又、ソーダ(炭酸ナトリウム)で耐火処理をしているので、炎を出して燃え上が
ることはない。
日本での施工例は40軒ほど。家まるごとヘンプ断熱材とするとどうしても価格が
高いので、人生の3分の1を過ごす寝室や子ども部屋だけをヘンプ断熱材にする方
が多い。日本で大規模栽培し、ヘンプ断熱材を国内製造に切り替えられれば、
価格的には、グラスウールの1.5倍〜2倍ぐらいまでになり、自然系断熱材のホープ
となるだろう。
テルモハンフ日本代理店 エルデフェアバンド
http://www.erde-vbd.com/
●ヘンプ内装材
麻のチップには、ミクロン単位の穴が開いており、その穴が調湿をコントロール
する。つまり、湿度の高いときは、吸収し、乾燥しているときは水分を放出する。
麻チップは、虫をよせつけないので、防虫効果に優れた内装ができる。
現在のところ、マグネシウムを多く含む白雲石を焼成・消化したドロマイトプラ
スターを主原料にし、麻チップを混入させたタイプ「麻壁ドロプラ」と「麻壁珪
藻土」の2つの内装材がトムクラフトという日本初のヘンプ内装業者によって、
商品化されている。
自然素材である内装材としてもてはやされている珪藻土はセメントや樹脂(化学糊)
によってのみ塗り固めるしかないため、珪藻土のもつ通気性が失われていたが、
麻壁珪藻土では、無機材の添加でイオン結合を促進し、珪藻土本来の特徴と麻のも
つ特徴を融合された製品となっている。
プラスターボード、モルタル下地に直接左官(直接塗れる)で一発仕上げできる。
設計価格は、麻壁ドロプラで 材料費3200円/u。麻壁珪藻土で材料費4000円/u。
仕上がりの色は、キナリ色がドロプラで、白色が珪藻土となる。富山市のヘンプショ
ップSOFARの内装、商品化したトムクラフトの事務所(世田谷区)の内装なら、一般
の人がどんな仕上がりになるのかを見ることができる。とても気持ちいい空間が
体験できるので、百聞は一見しかずの価値あり。
●ヘンプ布クロス(壁紙)とヘンプ和紙壁紙
全国でビニールクロスのシェアは95%で残りを織物、紙、無機質等の壁紙で占めて
いる。ビニールクロス=ビニールハウス=呼吸しない家=人の健康によくない!と訴
える建築業者はまだまだ少数派?!。自然住宅の施工業者向けに厳選された自然素材
でできた建築資材を扱う素材工房さんが開発したヘンプ布クロスがある。
素材工房
http://www.sozaikoubou.co.jp/kaiteki_c.html
K-11布 30m(×920mm) 44,100円/1本(1,470円/m)
ビニールクロスの壁紙は安いけど、接着剤でシックハウス症候群になるかも。。。
こんな不安を取り除くヘンプ和紙壁紙を研究開発中。1畳(180cm×90cm)の大き
さで手漉き和紙をつくることができるので、家の壁紙にお試しで使ってみたい人
(ヘンプ和紙壁紙のモニターになる)がいれば、ぜひ挑戦してほしい。
糊も化学糊ではなく、前述の素材工房さんの澱粉系接着剤「晴れ晴れ」を使う。
お問い合わせ(有)ジャパンエコジープロダクション 03-3445-5285
●ヘンプハウスはいつできるのか?
日本の住宅は、昔は低気密低断熱。今は高気密高断熱。湿気の多い日本の気候を
考えると今の住宅のあり方はおかしい。目指すべきところは、中気密高断熱。
高い断熱性能があり、昔の土壁のような湿度が調整できる壁の現代版として「麻壁」
が期待されている。
どこかで麻壁(宇宙船地球号の番組であったカノスモーズのような壁)を使った
家をつくって、日本の気候に適しているかを検証しなければならない。
麻壁がその材料が持つ吸放湿性能により,湿度変化を制御し,室内の極端な湿潤
や乾燥を和らげ,室内を程良い湿度に保つ「調湿建材」であるかどうかを検証しなけ
ればならないのだ。
建材試験センターによると平成14年8月JIS A 1470:2002 調湿建材の吸放湿
性能試験法が制定されているので、これでまずは実験をしないと宇宙船地球号
で紹介されている素敵なヘンプハウスとしての性能を有するのか全くわからない。
ヘンプハウス(小屋レベルでいい)を建てて、上記の試験データをとってみたい
方は、この通信の筆者までぜひご連絡下さい!!!
●ヘンプ建材のこれから
ここで紹介できる建材は、茅葺屋根材、麻スサ、オイルフィニッシュ(塗料)、
断熱材、フリース(フエルト生地)、左官材(内装材)、布クロス、和紙壁紙。
これからは、ヘンプボード(木材のOSBボードのようなもの)、ヘンプ発泡材、
ヘンプウッドプラスチック、麻チップ敷材、麻炭、、、いろいろと研究開発中。
研究開発には、開発力のある企業にも参加してもらわなければならないので、
ヘンプ建材に関心のある企業も大募集中!。草から100年もつ建材をつくる
という夢を現実化させたい意欲あるところと一緒にやりたいのである。
公共事業のように何億円というビジネスにつなげられるかどうか?!いろんな
人の知恵と資金でなんとかしたい。
●ヘンプ建材サンプルセット新発売!
さて、ヘンプ建材の2004年度の現状はなんとなくわかったが、現在流通して
いるヘンプ建材のサンプルが欲しいという方は、ぜひ下記のものを購入して欲しい。
ヘンプ建材サンプルセットに入っているもの
<ヘンプ素材>
1ヘンプ断熱材
2ヘンプマット(フリース)
3ヘンプファイバー
4オガラチップ
5麻ボード(レストラン麻で使ったやつ)
6麻スサ(コットンタイプ)
7野州麻紙(和紙)
8麻紙GA(洋紙)
9ヘンプオイル(ヘンプ塗料の原料)
10オガラ(茅葺屋根材)
11麻壁・石膏ボード上に塗ったもの
<ヘンプ建材メーカーカタログ>
ヘンプ建材サンプルセットのカタログ
ヘンプ商品カタログ2004年版
ヘンプがわかる55の質問〜大麻の基礎知識
ヘンプ内装材「麻壁」カタログ
ヘンプ断熱材カタログ
ヘンプファイバー、オガラチップカタログ
ヘンプ自然塗料カタログ
リフォーム便利帳2003年7月号・ヘンプ建材特集
こんなにそろって3150円(税込)♪
注文方法
郵便番号、住所、氏名、電話、メール、サンプル数を書いた上で
メールをいただれば発送いたします。代金は同封の郵便振込用紙
にて14日以内にお支払いをお願いします。
注文先 Hemp Revo,Inc akahoshi@hemp-revo.net
(参考資料)
リフォーム便利手帳2003年7月号(リフォーム産業新聞社)
http://www.new-age-trading.com/information/reform_benrichou01.html
http://www.new-age-trading.com/information/reform_benrichou02.html
以上
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