ふぁぁーみんぐ通信 06年12月号
●伝統みらい素材を見直す〜麻とヘンプ〜
こんなタイトルのイベントをはじめてやった。2005年から(有)ジャパンエコロープロダクションのご縁で京都工芸繊維大学の研究室とヘンプ繊維の共同研究をしている。繊維大学といえども天然繊維を扱っているのはいくつかの研究室しかない。しかし、環境問題対応という時代のニーズの高まりから、ヘンプ繊維の研究も快く引き受けていただいている。
しかも、ここの研究センターの名前がすごい!
「伝統みらい研究センター」
これって、ずばり「ヘンプ」のコンセプトである。
温故知新:昔のことをよく研究し、それを参考に、今つき当たっている問題や新しいことがらについて考えること。温故知新に相応しい研究テーマがヘンプである。
日時:2006年11月25日(土) 13:30〜18:00
主催:京都工芸繊維大学伝統みらい研究センター
NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク
場所:京都工芸繊維大学院ベンチャー・ラボラトリー
京都市左京区松ヶ崎橋上町
地下鉄烏丸線「松ヶ崎駅」下車、徒歩約8分
http://www.kit.ac.jp/01/01_110000.html
参加費:無料
定員:60名(先着予約制、必ず予約をお願いします))
内容:
13:35〜14:00 日本の伝統と麻 井戸理恵子(民俗情報工学研究家)
14:00〜14:25 ポリ乳酸とヘンプ繊維の複合素材としての特性
小滝雅也(京都工芸繊維大学)
14:25〜14:50 フランス・ヘンプ産業ツアーの視察報告
赤星栄志(バイオマス産業社会ネットワーク理事)
14:50〜15:15 大麻成分の生合成酵素の研究
田浦太志(九州大学薬学部薬用資源制御学分野)
休憩 <麻商品の展示販売>
15:45〜16:10 岐阜県に残る麻文化と麻炭の特徴と応用
田口龍治(岐阜県産業用麻協会事務局)
16:10〜16:35 オホーツク地域の麻栽培における土壌浄化効果
中村隆一(北海道立北見農業試験場生産研究部)
16:35〜17:00 ヘンプ繊維を利用した左官材及び不織布製造について
市川郁弘 ((有)ジャパンエコロジープロダクション取締役)
17:00〜17:25 長野県在来の低THC 品種の育成に向けて
根本和洋(信州大学大学院農学研究科)
●講演録ありますか?
残念ながら、講演録はなく、ここで上記の方々が発表したものは、研究途中成果
なものが多く、一般公開するには少し難しい。まとまった段階で、随時レポートします。
当日、都合でこれなかった岐阜の田口さんの話をここで紹介。
岐阜県に残る麻文化と麻炭の特徴と応用
岐阜県における伝統的な麻の利用事例で最も有名なものは、世界遺産で
ある白川郷の合掌造り家屋で、麻茎、オガラ(繊維をはいだ後の心材)が使
われています。
また、飛騨地方にある伊太木曾神社の管粥神事では、ヘンプの管(オガラ)を
お粥に入れまして、管も一緒に入れまして、その中におかゆが詰まった具合に
よってその年の豊凶を祈るという行事があります。
今年の行事では、その時お告げが出まして、トリノ五輪で荒川静香選手が金メ
ダルを取るという予想をずばり的中させました。このことは新聞にも載りました。
麻は神事に使う植物であり、まさに神聖なものだと思います。
日吉神社という格式高い神社があり、ここでは毎年5月3日、4日に行われる
神戸の火祭り、日吉山王祭りが行われます。ここで麻が使われているのですが、
松明としてオガラを燃やします。麻が神を迎える火として重要な存在であるととも
に、真夜中に祭りが行われるので長く持つ明かりが必要で、その条件に合致し
たのが麻のオガラだったのです。
伝統文化である長良川の鵜飼いで昔の縄、鵜を操る紐も麻だったりします。
長良川の方では鵜飼の着る装束もヘンプの繊維から出来た装束で身を包む
ことが受け継がれています。いかに麻の繊維というものが人々の中で係りの
深いものであったかを物語っています。
岐阜県産業用麻協会では、これらの伝統的な使い方とは違った現代的な新し
い用途開発を進めています。例えば、茎を麻の炭にして、インテリアや消臭用品
にしたり、書道に使う墨にしたり、麻炭入りの天然酵母パン(飲食ケータリング
サービス事業者「麻こころ茶屋」が利用)など、炭を用いた商品開発など色々な
事に取り組んでいます。
ヘンプの繊維を取り入れた新しい岐阜ならではのアパレル産業につなげていくこ
とや地元で有名な陶器においては、麻を燃やした灰から取れる釉薬で新しい面
白い色が出ないかなどをも研究しています。
岐阜県産業用麻協会
http://www15.plala.or.jp/yaponasia/
●農学、工学、薬学、医学、民俗学が集まる場へ
ここ何年かのヘンプの普及活動によって、多くの大学や研究機関がヘンプという
植物を各学問分野の切り口で、研究が始められている。
海外では、国の資金を使って研究しているところもあり、日本でも早くそのような
状態になることを願っている。そのためには、いろんな分野での研究をすすめ、
多くの研究成果を出すことが資金獲得につながると思われる。
研究は、基礎研究から実用化に近い応用研究まで様々なレベルが含まれるが、
未来の社会をつくるために、一歩一歩やっていこうと思う。
また、京都で伝統みらいセミナーを開こう!
(あ、東京でもやってという声も多数有り)
以上
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