ふぁーみんぐ通信03年12月号
        食用ヘンプオイル〜普通の油とヘンプオイルの違いの巻〜



●オリーブ・オイルは健康にいい?

最近、オリーブ・オイルが健康にいいと言われ、「バージン」「エクストラ・バージ
ン」オリーブ・オイルが人気をよんでいます。しかし、オリーブ・オイルの80%を
占めるオレイン酸は、日本の古来からの油である菜種油(60%)やゴマ油(40
%)など、ほとんどの油に含まれているものなのです。しかもオレイン酸は人間が一
般の食物から体内で合成できるので、あえて摂る必要はありません。もちろん摂り過
ぎは肥満の大きな原因になります。ギリシャやイタリアの既婚女性が太っているの
は、オリーブの果実とオイルの摂り過ぎが原因だと言われています。「バージン」と
いう言葉に惑わされてはなりません。

健康の敵のように言われる脂肪酸ですが、人間が体内で合成できないものは食物とし
て外から摂取しなければなりません。必ず摂らなければならないという意味で「必
須」脂肪酸と呼ばれています。必須脂肪酸には2種類あります。リノール酸と?(ア
ルファ)・リノレン酸です。重要なのはこの2種類の脂肪酸をバランスよく摂るとい
うことです。

この2種類の脂肪酸はホルモンと同じような働きをし、しかも作用は正
反対です。例えばリノール酸は血液を固くし、?・リノレン酸はやわらかくします。
ですからバランスよく摂らなければ、かえって害になるのです。厚生労働省や多くの
脂肪酸研究者は4対1で摂ることを推奨しています。ところが一般的に売られている
大手食糧油脂会社の製品のほとんどはリノール酸が非常に多く、コーン油やサフラ
ワー油にはα−リノレン酸はまったく含まれていないのです。某社が発売している健
康エコナも、中性脂肪にややなりにくいというだけで、肝心の必須脂肪酸のバランス
はよくありません。


●ダイエットにも麻の実油が必要

10年ぐらい前までは植物性リノール酸でできたマーガリンだから健康にいいと宣伝
されて売られていたのですが、最近はリノール酸が健康にいいという宣伝を見ること
はありません。それは製油会社もリノール酸過多が健康によくないのを知っているか
らです。リノール酸が多すぎαーリノレン酸が少ないと、高血圧、肥満、心臓病、ア
トピー性皮膚炎、痴呆症、高コレステロール血症になりやすいことは今では常識で
す。ですから、?・リノレン酸をバランスよく摂ると、これらの病気の予防や治療に
効果があります。

健康のためにダイエットを試みる人たちの多くは油を抑えようとします。しかし、も
ともと少ない?・リノレン酸の摂取も減らしてしまうため、かえって健康を損ない、
体が弱ったり病気になり、結局、ダイエットも失敗してしまうのです。ダイエットに
は?・リノレン酸が多く含まれる油が必要なのはこのためです。

麻の実油の80%は必須脂肪酸で、すべての植物油のなかで最も多く、しかもリノー
ル酸とα−リノレン酸の割合が、厚生労働省が推奨する4対1になっています。この
割合で含まれているのは、すべての油のなかで麻の実油だけなのです。ほかの油をす
べてやめて、麻の実油だけ摂取した方がいいと言っても過言ではありません。体はま
ず必須脂肪酸から消費していきますので、麻の実油は肥満の原因にはなりにくいと言
えます。


●麻の実油を飲むだけで皮膚の美容にも


必須脂肪酸は胃腸管と粘膜を通じて血液循環に入り、さらに毛細血管を通って皮膚に
達します。そこで細胞膜に取り込まれ、微量成分は細胞膜を保護していきます。この
結果、皮膚の状態は明らかによくなります。

最近の研究では、必須脂肪酸と多価不飽和脂肪酸の摂取が人間の皮膚の生理に非常
に重要であることが指摘されていますが、特に乾燥肌を治し、皮膚の老化を防ぐためには、
リノール酸とα−リノレン酸を摂取することが大切です。リノール酸は通常の食事で十分に
摂取できますが、α−リノレン酸とあとで述べるα−リノレン酸まで同時に摂取するには、
麻の実油しかありません。


●麻の実油を飲めば頭がよくなる


脳は、重量で60%が脂質で構成され、そのうちDHA(ドコサヘキサエン酸)が10
%を占めます。DHAやEPA(エイコサペンタエン酸)は健脳成分として注目されており、脳の
発育や機能維持に重要な役割を果たしています。魚の油は頭をよくすると言われてい
ますが、麻の実油のα−リノレン酸は、体内で魚の油と同質のDHA , EPAに変化しま
す。?・リノレン酸は胎児や乳幼児の知能の発達にも関係してますので、賢い子供を
産み育てるためには麻の油が最適です。


●老化防止にも

麻の実油にはγ(ガンマ)−リノレン酸が2〜4%含まれています。α−リノレン酸
は、生理活性物質の材料となり、血圧、血糖値、コレステロール値の降下、血栓を解
消して血液の流れをよくする作用があります。?・リノレン酸は必須脂肪酸ではあり
ませんが、年をとるにしたがって体内で合成することが難しくなります。

α−リノレン酸を含む油としては月見草やボリジ油などがありますが、通常、口にすることはあ
りませんし、サプリで摂るにしても非常に高価です。乳幼児やお年寄り、糖尿病でイ
ンスリン不足の人などにαー・リノレン酸の合成が十分でない傾向あり、麻の実油を毎
日テーブル・スプーン1〜2杯摂取すると症状改善に役に立つことが明らかになってい
ます。


●アーユルヴェーダと油剤療法

世界三大医学の一つインドのアーユルヴェーダ医学では、アーマ(未消化物)やマラ
(老廃物)や過剰なドーシャ(構成要素)を排除するために、パンチャカルマ(5つ
の療法)を施します。排除すべきこれらのものを総称する適当な言葉が医学用語にみ
あたらないため、ここでは「毒素」という言葉を用います。
アーユルベーダでは老化の原因をからだの中に毒素が蓄積して行くことにあると指摘
しています。

お肌の老化は勿論のこと、腫瘍やガンの発症になるまで、過剰な活性酸素が細胞を傷
つけ活性化脂質を生成し 連鎖反応的に毒素を増やして行きます。インド医学やギリ
シャ医学において、各種の油剤療法が実施されてきたのは、油溶性の毒素を純粋な油
でもって溶かし出すのが目的なのです。汚れたからだの上から、高価な健康補助食品
を与えても、色々な治療を施しても期待した通りの効果は現れて来ません。そこで、
ここでいう毒素を抜くための浄化方法の一つとして浄化クア療法と呼ばれるものがあ
ります。

これは、様々なレシピがありますが、一番簡単なのは、テーブル・スプーン
一杯の麻の実油を毎朝飲むことです。一般的な日本人には、オイルを飲む習慣がない
ので、はじめは抵抗があるかもしれません。しかし、麻の実油は、上品なアーモンド
ナッツのような味がするので、何回かすれば、とても美味しく感じられるようなりま
す。健康維持のために1日スプーン一杯を実践することを提案します。


●新鮮で搾りたて

市販の食用油は、石油溶剤であるヘキサンで抽出し、種子のもつ風味やミネラル、ビ
タミン類を除去しています。いわば、単なるエネルギー源としてのオイルでしかあり
ません。今回、発売された麻の実油は、国内の搾油所で低温圧搾法によって搾ってい
ます。

低温圧搾法とは、搾油機で55℃以下を保って絞る製油方法のことです。精製を
せず、このように搾った油には種子特有の風味や脂溶性ビタミン、その他の抗酸化物
質、微量栄養素などが残っています。低温圧搾法では油のとれる量が減りますが、酸
化物を最低限におさえることができ、味もよいのです。

麻の実油には、必須脂肪酸が多いため、光と酸素に触れないようにガラス瓶に入れ、
箱の中に入れています。原料、加工、容器のすべてに新鮮な素材を提供できるように
試行錯誤した結果がこの麻の実油に詰まっています。



●普通の食用油とヘンプオイルの違いは?

生産過程から商品になるまでのプロセスでその違いを表にしてまとめてみました。


項目 普通の食用油(サラダ油) ヘンプオイル(商品名:麻の実油)
原材料

サフラワー、菜種、ひまわり、コーン大豆など

大麻の種子(ヘンプシード)
栽培方法

農薬・化学肥料に頼った農法
→脂肪は、残留農薬や有害物質を
  貯め込みやすい性質をもつ

有機栽培、無農薬栽培
元来、生命力の強い作物のため、除草剤、殺虫剤、
土壌消毒剤などは使わない

製造工程

高温状態での溶剤抽出法
  石油系溶剤ヘキサンでの抽出
  体に有害なトランス脂肪酸が発生

低温圧搾法
  昔ながらの機械による搾油
  脂肪酸そのままの状態

精製

脱酸→脱ガム→脱色→脱臭
風味、微量栄養素、ビタミン類を除去してしまう

未精製
種子本来がもつ風味、微量栄養素、ビタミン類がそのまま
含まれています

容器

透明なプラスチック容器
 軽くて見た目がよいという点で使用

箱の中に入ったガラス瓶
必須脂肪酸が多い油なので、光による劣化を防ぐために必要

保存

冷暗所においておく
保存食品だと認識されている

開封後は冷蔵庫に入れておく
油は本来、生鮮食品です!

風味と色

無味・無臭・透明感のある黄色
原料の種子の特徴がなくなっている

アーモンドのような風味・薄い緑色
原料の種子の風味が再現されている

料理法

サラダ、炒め物、揚げ物
てんぷら油に向いている

サラダ、炒め物、飲む(1日:スプーン1杯)
165度になると煙がでるのでてんぷら油としては使えません

栄養価
の特徴

単なるエネルギー源でしかない

1)必須脂肪酸が豊富でバランスがよい
80%以上の必須脂肪酸を含む
リノール酸と?−リノレン酸が3:1という割合
絶対量が不足しているα−リノレン酸が摂れる

2)α−リノレン酸、ステアリドン酸含有
これらは他の植物油にない珍しい貴重な脂肪酸で、体のあちこちを調節する生理活性物質の原料となる

3)ビタミンEが豊富
スプーン1〜2杯で1日の摂取量となる

人の体に
とって
摂取すればするほどリノール酸過剰摂取となり、アレルギーをはじめ、肺ガン、乳ガン、大腸ガン、前立腺ガン、すい臓ガンなどを促進してしまうという危険性が大きい 必須脂肪酸は、細胞膜の合成に不可欠であり、うまく供給されないと一つ一つの細胞に不具合が生じる。60兆の細胞で構成される体の健康は、細胞が健康であることが絶対的な条件である


●食用ヘンプオイルは、こちらで買えます!

麻の実油
原産国 カナダ
加工製造 日本
種類 未精製油
販売 潟jュー・エイジ・トレーディング
開封前賞味期限 1年
200ml 2310円(税込み)

http://www.new-age-trading.com/


参考文献:月刊波動03年8月号




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