ふぁーみんぐ通信07年4月号
          アースデイ東京のヘンプ体験村〜伝統工芸からハイテク素材まで〜


●2000年から毎年企画参加

4月22日のアースデイは、「地球のことを考えて行動する日」。1970年にアメリ
カからはじまったこの運動は全世界に広がり、日本では1990年から実施されてい
る。現在のスタイルに変わったのが2000年。2000年4月に新宿のパークタウンで
のNPO法人ヘンプ製品普及協会(2001年12月設立)のメンバーで参加したのが
きっかけである。

噂のヘンプカー!

2002年のアースデイ東京では、ヘンプカープロジェクト2002の出発イベントと
して企画参加。ヘンプカープロジェクトは、ヘンプの種子油からバイオディーゼル
燃料をつくって、それで北海道から沖縄まで全国縦断の旅をしてヘンプの普及
を図る企画であった。昨年からアースデイも東京油田という企画で廃食油の
バイオ燃料を使っているが、バイオ燃料ブームの先駆け(5年前)であった。(上記の写真)

2003年のアースデイ東京からは「ヘンプ体験村」という名前で企画参加し、
2004年には、国内メーカー製のヘンプ製品が増えたことによって、ヘンプの蚊帳、
シーツ、枕、カーペットを使った空間で、ヘンプオイル・マッサージ体験ができる
ようになった。このときの様子は、過去の通信でも紹介している。
http://www.hemp-revo.net/report/0404.htm(こちらを参照)

 住宅相談会の様子

2005年には、健康畳植田による1畳8万円相当の「麻畳」を2畳展示して、自然
住宅相談会を実施。
ヘンプ体験村は、衣料、アクセサリー、食品、マッサージ(化粧品&インテリア)、
建材、麻炭、プラスチック複合素材という多岐にわたる内容のため、ヘンプという
素材が統一されていても、アースデイという10万人規模のイベントで、外から
見ると「統一感がない!!」というのが大きな課題であった。そのため、2006年か
らは、「ヘンプ体験村」という旗(ノボリ)を12本作成して、統一性を出す工夫
をした。このノボリは、とっても大成功。その後のアースガーデンでも毎回使用
し、企画の存在感と統一性を出している。
 このノボリが目印!

さて、2007年のヘンプ体験村は本部テントに近いところからの順でご紹介。
こんな感じでした。

●ヘンプアクセサリー GreenGlass&ぴのこ家

今やヘンプといえば、アクセサリーというぐらい認知度が高まった分野。ヘンプの
アクセサリーの本だけでもいろんなバリエーションで15冊ぐらい出版されている。
ここのヘンプのひもを使って編んだオリジナルアクセサリーで、きのこの形をした
ものはとってもかわいい。ネパールのヘンプの帽子やお香もあって、ヘンプ体験村
ではいつも独特な雰囲気があって素敵な空間を演出している。

ホームページには、普段の取扱い店やオーダーメイドのアクセサリー製作も受けて
いているので、ぜひ覗いてみてください。

連絡先:TEL/FAX 050-3488-8533
http://www.pinokoya.com/
info@pinokoya.com




●ヘンプ衣料 Renature(リネーチャー)、Rea Lani(レアラニ)

毎度おなじみになった?ヘンプ衣料バザール。アースデイにあわせて製作する
新作を購入するのも楽しい。1999年頃からのヘンプブランドであり、中国にヘ
ンプ畑をもち、工場で生地にするという素材づくりからこだわっているところ
である。

ハワイ語で究極の天国を意味するRea Lani(レアラニ)というレディースの
ブランドもあるので、アースデイでは女性の人だかりが出来ている。
購入できるお店は下北沢の大麻堂や渋谷のCONNECTEDなどで取り扱っている。

CONNECTED  http://www.connectedtokyo.com/
大麻堂 http://www.taimado.com/sinfo/index.html
リネーチャー http://renature.jp




●ヘンプ建材 トムクラフト

国内唯一のヘンプ建材専門の住宅&リフォーム工務店。石灰と麻チップ(オガラ)、
砂、水を混ぜてつくる「麻壁」は塗り壁材として多くのエコロジーなお店やリフ
ォームに採用されている。今回は、麻と自然素材でつくる家「麻の家」を日本初
で立てたい人を大募集。

アースデイでは麻壁づくりワークショップを実施し、「何つくっているの?」とい
うことで多くの人の注目を集めた。石灰と麻茎のチップを混合して型枠の中で
突き固めていく版築(はんちく)工法という古来からのやり方を実演した。

土壁と同じように高温多湿な日本に適した理想的な壁になる。坪単価55万円で
麻の家(ヘンプハウス)立ててみたい人、この特別価格は先着1名さまのみ有効。

http://www.hemp-revo.net/hemphouse/
surfer13@partie.net


麻壁の原料を混ぜて(左)、版築工法で突き固める(右)


●麻炭 岐阜県産業用麻協会

花火の火薬の助燃材、昔の懐炉であるカイロ灰の原料として使われた麻炭。現在
に蘇った伝統工芸品。今回のアースデイでは、麻炭からつくった書道の墨で、
麻の書道体験教室を開催。

書道の先生の指導の下、「麻」などの自分の好きな字を書く。書道って、小学生の
ときに誰でもやっているため、今更、体験する人いないのでは?という懸念もあり
ましたが、はじめての企画だったので、そこそこの人が体験しました。

麻炭商品以外にも布や小物も販売。今後も毎年、岐阜からアースデイには参加予定。
地元の神戸の火祭りは、1300年を誇る祭りで、松明がオガラを使用。岐阜県の
重要文化財に指定されている。そういえば、岐阜の世界遺産の白川郷の茅葺屋根に
もオガラ(麻炭の原料)が使われている。岐阜って麻の特産地!

http://www15.plala.or.jp/yaponasia/


麻墨で書く「麻」の文字


●ヘンプオイルDEマッサージ・アーユルベーダ体験

湘南に住む朱実さんたちのユニットで、ヘンプの蚊帳、シーツ、敷きマット、
タオルに囲まれた空間で、Chanvreヘンプオイルを使ったマッサージ体験コーナー。

午前中は、疲れた人がいないので、人は少ないが、午後や夕方は2時間待ちの
マッサージ体験。1回2000円の20分はかなり満足度が高い。足裏のリフレクソロ
ジーもいいし、ヘッドマッサージなんかは、頭がふにゃふにゃにほぐれる爽快
な気分が味わえる。

Chanvreヘンプオイル、ヘンプタオル http://www.chanvre.jp/
ヘンプの蚊帳 http://www.anmin.com/kaya/
ヘンプシーツ プラネッタ http://www.frangipani.bz/
ヘンプ敷きマット http://www.binchoutan.com/denziha/hemppad.html
ヘンプ布団 http://www.binchoutan.com/jinno/hemp.html




●ヘンプ・プラスチック WOM PACIFIC PTY Ltd&ZELFO AUSTRALIA


今回、オーストラリア・バイロンベイから参加。自然から学んだ技術(Biomimic)
で自然環境に負担を掛けない新素材ZELFO。古紙やヘンプをZELFO素材にして
最高品質のアコースティック楽器、テーブルウエア、家具、照明器具等を生産。

当日は、オーストラリアの先住民族アボリジニーの楽器であるディジュリデゥ
がヘンプ樹脂100%(コーティング剤は除いて)を展示。工場が3月に設置した
ばかりなので、商品点数は少なかったが、来年はいろんな楽器が楽しみなところ。

ホームページに日本語カタログがダウンロードできるのでぜひチェックを!
http://www.zelfo.com.au/


ヘンプ・プラスチックのディジュのセッションで盛り上がる(右)


●ヘンプビール&ヘンプ製サーフボード ビックフィールド

麻物語、ガンジャハイ、ヘンプハイ、麻の雫の4種のヘンプビールが
楽しめるコーナー。その脇には、サーフボードのラックがあって、
世界初のヘンプウレタンフォームを使ったサーフボードが展示。

ヘンプサーフボードといえば、以前はガラスクロスの替わりに
ヘンプクロス(布)をつかったものであったが、これからは、
中の石油系ウレタンフォームの変わりにヘンプのウレタンフォーム
をつかったものを「ヘンプ・サーフボード」と呼ぼう。

http://www.hemp-revo.net/bigfield/top.htm




●アーデイ東京での反響

ヘンプ体験村は、アースデイ東京の中でも敷地占有率が大きい巨大な企画の
1つである。エコロジーやオーガニックの最先端シーンにおいては、ヘンプ
という単語も認知度が上がっている感じがする。

以前は、ヘンプって何ですか?という質問が多かったが、今回はほとんどなかっ
た。天気が2日間とも晴れ・曇りだったのでどこのコーナーもヘンプ製品の売上
が上がっていた。

一般的な大量生産、大量流通の世界での「ヘンプ」の認知度はまだまだで
あるが、草の根レベルでの広がりと商品力は、ヘンプの潜在能力を感じられる
ヘンプ体験村の企画内容になっていると自負している。

実際にアースデイに来ていただいた多くの方が「思っていたよりも進んでいる」
という感想であった。ヘンプの多様性と可能性は、十分にあるが、これから
さらなる市場開拓のためには、もう一工夫必要である。

今までのアースデイとともに歩んできたヘンプ体験村の7年間は、資金力、マー
ケティング力が全くない極貧状態なところから、歯を食いしばってあらゆる分野の
新商品開発をやってきた努力の結晶である。
(表向きそのように思われないかもしれないが)
これらの経験を活かしてこれから飛躍していきたい♪。
そろそろメジャーデビューしたいなーーーーー。



以上





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